「一生刑務所と一生無人島はどっちがいいか?」というアンケートを、以前水曜日のダウンタウンでやっていた。すると、6割弱が無人島を選び、4割強が刑務所を選んだという結果になりました。私はこの結果を見て、は???って思ってしまったのですよ。インターネット上でもこの一生刑務所と一生無人島はどっちがいいか?に対する回答をしている人たちがいて、自身のブログなどで細かく説明をしている。しかし、私は無人島を選ぶ人たちの気持ちが全く理解できない。無人島が刑務所よりも勝っているところってなんだ?と思う。実際、無人島を選んでいる人は、「自由だから」とか、「気楽でいい」という点を理由として挙げているケースが多い。ただ、ちょっと待てよ!と思う。例えば、この「自由」というのは、当然刑務所と比べての話なんだが、どういう場面で見出せるの?と思う。イメージとしては、生活スタイルにおいて、誰の命令も受けずに自由に決められるという点があるのだろう。確かにそれはそうだと思うんだけど、それは=自由なのか?だって、生活スタイルに関してはさ、むちゃくちゃ制限を受けるだろうと思うのです。
例えば、食事は自分でなんとかしないといけない。これは刑務所の場合には気にする必要がない。勝手に出てくるから。しかも、ちゃんと人間の食事と言えるものが出てくるはずだ。しかし、無人島の場合には食事は自分で用意しないといけませんし、どんなものが見つかるか?は全く想像できない。そして、見つかるまでに何時間かかるのか?も不明だ。要するに、自分で狩りをするような生活が決定的であり、この点においては明らかに刑務所よりも自由ではない。やらないといけない仕事が増えてんだから。それにちゃんとまともな食事が摂れるのか?も不明だ。それは栄養バランス的な面もあるし、まともな味をしているのか?という点も含めて。これは単なる一例だけど、自由とか、気楽という点に関して言えば、無人島の方が勝っているとは、到底思えないのです。刑務所に関しても刑務作業が必要になるので、それは大変な部分だと思うものの、これって別に生死がかかっているわけじゃなく、やれと言われたことをやるだけなんで、大分気は楽だと思います。無人島の場合、ガチで生死がかかってますから。しかも、時間が経てば経つほど、島にある食べられるものの数はどんどん減っていく可能性があります。つまり、食料を見つけるための苦労の程度は日に日に増していくかもしれないのです。あとは雨風を凌ぐことが可能な場所を見つけられるか?とか、身体をどうやって清潔に保つか?とか、体調崩したらどうするか?とか、趣味や娯楽ってあるのか?とか、やらないといけないこと、気楽とは思えないことが割と見つかる気がします。その程度が確実に刑務所よりも低いとは言い切れないでしょう。
刑務所を選ぶ最大のデメリットって、刑務所という場所から出られない部分な気はする(一定の敷地内からは出られない以外は社畜と変わらない)が、これも結局は無人島だって、そこから出られないわけです。広さがどれくらい違うのか?は分からないけれども、あまり条件が変わるとは思えない。それに刑務作業に関しても、社畜がやっている労働と変わらないでしょうと思います。多くの人間が日常的にやっている行為と同じことを刑務所内でしているだけと考えると、特別大変な思いではないです。塀の外の人も当たり前に同じことやってんだから。しかも、刑務作業は労働基準法を逸脱するような状況ではないはずです。体調を崩すと刑務作業ができなくなり、刑の執行にならないから。つまり、確実にホワイトな職場です。そう考えると、無人島ならではのメリットと思われている部分は、私にとっては刑務所にも存在しているのでは?と思えてきます。つまり、無人島が自由で気楽ならば、刑務所も同じくらい自由で気楽に思えてくるのです。そうなると、刑務所ならではのメリットに注目をすべきとなります。刑務所の最大のメリットって何か?っていうと、生存が保証されることです。無人島はその日暮らしが毎日続きますが、刑務所は常に養ってもらっている状況です。刑務作業と引き換えという言い方もできますけど、ホワイトな職場でちゃんと衣食住全部提供されるって素晴らしい環境でしょう。
じゃあ、刑務所ならではのデメリットは何か?というと、ネット上で見られるものに関しては、割と不確定要素が大きいものばかりなのです。実際、無人島を選んでいる人の文章を読んでみると、刑務所のデメリットとして挙げているものは、確定しているものとは言い難い部分なんです。そうかもしれないと言えるものばかりでした。例えば、他の受刑者と気が合わないかもしれないという点です。これは相部屋であればその可能性はありますが、たらればを挙げたらキリがないでしょう。海外にはさ、刑務所とは全く思えない刑務所があるみたいなんです。ホテルのような綺麗な空間で、受刑者は楽しく毎日を過ごしているような雰囲気であり、食事も超豪華です。そういうホワイト企業どころじゃない刑務所で暮らせるかもしれないわけです。でも、それはかもしれないという話なので、そういうかもしれないという話を持ち出したら、無限に出せますよ。無限に出せるならば、比較ができないので、刑務所と無人島のどっちがいいか?決められないわけです。
だから、こういう話で、たらればを持ってく人の気持ちが理解できないのよね。そういう人は自分の頭の中で浮かんできたたらればのみを比較してるんだろうけど、そんな一部だけで比較してさ、何の意味があるの?と問いたい。私に言わせれば、2者択一でどとっちかを確実に選ぶならば、刑務所と無人島に関してほぼ確実に言える部分だけを比較すべきだと思うのですが、こういうたらればの部分を考慮して選ぶと、無人島って回答が増えるのかな?と思ってしまいます。私も無人島は自由、気楽とは限らないという部分で、いろいろな「かもしれない」と言える箇所を挙げたが、これは無人島のメリットだと思っている人の主張がおかしいという意味で出しています。つまり、何らかの「かもしれない」は逆の「かもしれない」によって相殺されてしまうわけです。だから、たらればは意味がないって言ったのです。しかし、無人島のメリットと思われていることが、そうとは限らないでしょ?実態は違うかもしれないでしょ?というのは、メリットだと思われていることが必ずしもメリットとは言えない可能性を示唆しており、こちらのたらればは私は意味があると思っています。要するに、絶対にメリットであると言い切れるためには、メリットじゃないかもしれないという可能性が1ミリでもあってはいけないのです。だから、1ミリでもあった時点で、メリットとは言い切れなくなるわけだから、この場合の「かもしれない」はその1ミリ以上には該当しており、意味があるってことです。
不確定要素がある以上、私の本音を言えば「わからない」になりますが、無理にでも選ぶならば、私は刑務所ですよ。世の中の9割は刑務所を選ぶんじゃないか?と思っていたのだが、番組ではまさかの無人島の方が多数ということで、いろいろな意味で驚きだった。生存の保証なんかいらない、気楽や自由じゃなくていいというスタンスの人ならば、無人島を選んでも不思議じゃない。しかし、私が見ている限り、これらを気にしている人が無人島を選んでいる状況に思えるのです。個人的には、刑務所に存在するデメリットは、不確定要素が大きいものか、無人島(もしくは私たちの当たり前の日常)にも存在すると言えるものが多く、刑務所におけるデメリットの中でも、刑務所であれば確実に存在するものに関しては、あまり気にすべきものは思えない。また、無人島におけるメリットというのが、そこまでメリットに感じられないというのが、私の感想です。数字で表せるものじゃないので、感覚による判断にはなるけど、私はこの2択であれば迷わず刑務所を選択するだろう。ただ、これは他の人にあまり共感されない部分かもしれないが、私にとっての唯一の刑務所における懸念点は自ら死を選ぶことがしづらいという部分だろう。刑務所は物理的に阻止されやすい状況になっている。場合によっては、これはとんでもないデメリットに感じるかもしれないが、これもたらればの話なので、今回は考慮しなかった。

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