日本企業で当たり前に行われていることの1つに社会資料の作成の丁寧さがある。私はそういう現場に携わったことがないので、細かくは分からないが、ここは欧米企業との対比という部分でも言われることがあります。つまり、日本企業は社内資料を作るときに非常に時間と手間をかけて丁寧に作ると。分量も多いし、非常に充実したものになっていることが多い。しかし、欧米の企業は社内資料は必要最低限のことのみ載せて、分量も薄い。とても作りこまれているという状態ではないものが多い。これがそれぞれの社内資料の特徴になるわけだが、どっちが良いか?という判断は難しいが、個人的には欧米の社内資料の作り方の方が好感が持てる。日本は品質にこだわり、欧米は効率にこだわっているということがよく言われる。日本人の中にも日本企業の社内資料の作り方に関しては不満を抱いている人もいるようなのだが、個人的にも無駄な部分は生まれているのではないか?と感じます。
そのあたりは結局個々の企業にもよるから一概には言えないものの、社内で作る資料にそんなに時間や手間をかける意味とは何なんだろうか?という疑問がまず沸きます。それは言ってしまえば社内の人しか見ないということ。それは直接的に会社の利益に関係ないということになる。社外のクライアントに見せる資料ならともかく、社内の人間にしか見せないものをそこまで作り込む必要はあるのだろうか?と疑問がわく。必要最小限の情報を越えた資料は、確かに社内において自分の立場を考えたときには、意味があるかものかもしれない。自分が評価されるという意味では、自分の社内における地位を考えたときには一定の意味を持つ。しかし、それは会社にとって意味を持つものではないでしょう。そうなると、会社の社員に対する評価の仕方が問題とも言えるかもしれない。新卒の採用において履歴書は手書きという部分がいまだに残っている点からも、日本の企業が効率性重視ではないことは一目瞭然だが、欧米企業のような効率性重視の点を評価する日本人は多く見受けられるように思います。私自身も効率性だけが全てとは言わないが、効率性を無視しているかのような社内資料があったならば、それがどういったメリットを生むのだろう?というのはやっぱり疑問です。
先ほども言ったように、それはその社員が悪いのではなく、日本の文化や会社の評価システムの問題の方が大きいように感じる。要点だけまとめたような薄っぺらい社内資料が悪いか?というと、別に悪くないだろう。何十ページにも及ぶ資料の中に、2,3ページで終わらせるような資料があったとしたら、何だか手を抜いたような、いい加減に作られたような印象を抱くかもしれないが、別に枚数が少ないことが悪いことになるわけじゃないし、手を抜いたというのは作った本人からしてみれば効率化しただけであって、そういう見方がそもそもおかしいとも言えるのではないでしょうか?欧米の場合にはそういう薄っぺらい資料ばかりが並ぶから、その薄っぺらい部分に誰も違和感を持たない。しかし、欧米人からしてみれば分厚い資料は読むだけでも大変で、単に資料作成頑張りましたアピールにしかなっていないものも多いようで、そんなものを作ってくる社員は全く評価されないそうだ。実際、薄っぺらいもの資料を最小の労力と時間を使って作り上げることの意味は意外と大きいと言う。それは薄っぺらい資料は完成にかかるまでの時間が短くて済むため、後で適宜修正がしやすいということ。しかし、時間いっぱいで作られた膨大な資料は読むだけでも疲れるだろうが、その後に修正をすることが困難だ。それはすでに時間いっぱいを使われてしまっているから、修正の時間がとれないということ。
こういった点を踏まえて欧米のやり方を評価していると思われるケースは割と見受けられます。日本の場合にはどうも生産性の部分がよく取り沙汰されるため、欧米との比較で効率化の面では確かに是正できる面はあるのではないか?と感じてくる。この社内資料にかける時間とか、手間の問題に関しては、例えば社内で使う単なるメモを無茶苦茶丁寧に書いているようなケースに該当するかもしれない。とりあえず読めれば良いもののを何でそんな時間をかけて丁寧に書くんだ?という疑問を持つ人もいそうだが、社内資料に関してもそれを本当に社内の人間しか読まないのであれば、内容が充実している意味がどこまであるのか?は分からない。内容が充実しているのが悪いというわけではないが、充実という部分にも限度があるはずで、それを越えた充実度は意味があるとは言いがたくなってくる。そのバランスをどうするか?が難しいところだけど、最近は会議のやり方も無駄が多いとか、ネット上で話題になっているのを見たことがあるが、日本企業での働き方の問題に関してはいろいろと改善の余地があるということでしょうか?

逆説の日本企業論―――欧米の後追いに未来はない
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