大学入試においては、AO入試や推薦入試というのは学力低下を招くと揶揄されやすい存在でもあります。それは一般入試こそが王道であり、それ以外は邪道まではいかなくても、何か違うという感じがあるのではないでしょうか?一般的に、AO入試や推薦入試は一生懸命勉強をして、受験レベルの知識を備えて受けにくるわけではないので、学力が高くない、一般入試よりも低いとすら言われています。その指摘は妥当なのか?というのは、正直微妙だと思いますよ。というのも、入学時点では、受験レベルの勉強をしたか?していないか?という差は間違いなくありそうな気はします。しかし、早稲田大学が興味深いデータを公表していてニュースにもなっていましたが、早稲田大学の場合、卒業時点の成績を見比べると、なんとAO入試と推薦入試の入学者が、一般入試の入学者の成績よりも良いと。そんな状況が存在しているらしいのです。それを受けて、早稲田大学では2016年からAO入試と推薦入試の規模を拡大し、募集人数を増やすという措置をとるみたいです。
これは当然賛否両論ありましたよ。そして、否定意見の中では、当然学力の低い人間が早稲田大学に入ってくることに嫌悪感を覚えているような、そんな意見もあったと思います。つまり、一般入試で入ってくる人や内部進学で入ってくる人にとっては、AO入試、推薦入試はどうもバカが、頭が悪い人間が量産されやすいと、学力が不足している人間が多く生まれるだけだと、そういう認識の人が多いかもしれませんが、早稲田大学の場合にはそうじゃないってことみたいです。大学受験の勉強の学力(英語、国語、社会科など)は一般入試で入ってきた学生の方が勝っていると言って良いと思いますが、大学での勉強(文学、法学、経済学など)に関しては、AO入試や推薦入試で入ってきた学生の方が学力では上だと、彼らの方が頭が良いという結果になっているということなのでえす。これは早稲田大学だけなのか?他でも共通の傾向なのか?というのは分かりませんが、恐らくある程度は共通していると思いますよ。特に私立大学は。
国公立大学は、また違うと思います。それは何故か?というと、国公立大学は第1志望で入ってくる学生がかなり多いからです。国公立大学といっても、全部が全部そうじゃないかもしれませんが、国公立を受ける人はそこが第1志望である確率が高いと思います。そうじゃなければ、私立大学しか受けないと思うのです。そして、第1志望の学生は期待に胸溢れて入ってくるので、勉学にも実が入りやすいということです。逆に第1志望じゃなく、滑り止めや仕方なく入ってきた学生はそこまでモチベーションが保てないので、いい加減になりやすい。勉学に身が入りづらいというのが、相対的に言えると思います。そして、私立大学はその第1志望以外の学生が入ってくる率が高いと思います。国公立は基本的に1個しか受けられないため、そこに入ってくる学生は第1志望で、かつ受かった人である可能性が高いが、私立大学は好きなだけ受けられるため、受かる大学が第1志望である確率はやっぱり下がります。倍率も私立大学の方が高い傾向にあるので、やっぱり望んで入ってきている学生の率が低いと思います。
では、AO入試や推薦入試はどうか?というと、AO入試は併願が可能なケースも多いので、複数受けられるものの、基本的に自分の学力的に一般入試で受けたらまず受からないようなところを受ける人が多いのかな?と思いますが、そうであれば第1志望の大学であればもちろんですが、そうじゃなくても、第2志望以下の大学であっても、自分の力じゃまず入れないと思っていた大学にAO入試で合格すれば、そこで勉強をするモチベーションは、一般入試で滑り止め、または併願の1つとして受かった大学に入学する学生よりも高い気がします。推薦入試は1個しか受けられないことも多く、受かればそこに行くというケースが多いので、受かったら一般入試は受けられない風潮になっており、当然受けるのは第1志望しか受けない。受かったらそこが自動的に第1志望ということになります。推薦入試の場合は間違いなく入学してくる学生はモチベーションが高いです。つまり、まとめるとAO入試や推薦入試は入学してくる学生の気持ちが高ぶっているので、一般入試の人と比べると、勉強に対するやる気がある。ということになるのではないでしょうか?そういったそれぞれの入学経緯が違う学生ごとに、どこまで学生生活を充実させられるか?が変わるので、早稲田大学では結果としてAO入試も推薦入試も学力不足どころか、真面目に勉強している割合が高いということが言えるのでしょう。
AO入試や推薦入試は廃止すべきという声もあるものの、大学としては成績が良い学生が多いということで、やはり4年間のモチベーションが高い人たちを多く集めないと、就職や卒業後の実績にもかかわってくるので、モチベーションの高い学生が相対的に少ないと思われる一般入試の募集人数を減らして、AO入試や推薦入試の割合を増やす、拡大するというのは、大学側としてはとても合理的なやり方、一般入試の枠を狭めれば、偏差値も上がりやすいので、願ったり叶ったりでしょう。だから、別に早稲田大学だけに限りませんけど、今後多くの大学でAO入試や推薦入試の募集人数の拡大傾向は止まらないと思います。AO入試や推薦入試は廃止すべきどころか、どんどん規模が大きくなっていくのが、日本の大学の流れになると思うのです。東京大学も推薦入試始めましたし、基準や条件がかなり厳しいということも話題になりました。内容はそれぞれで違うものの、AO入試、推薦入試は一般入試と並んで、今後多くの入試のやり方の主流になるかもしれません。大学は学力に長けた人間が入る場所じゃなくなってきているということでしょうか。学力の問題で言えば、先ほど指摘したように、AO入試や推薦入試は頭が悪いとか、学力が低いというのは言えなくなってきている面もあるので、学力関係なく大学が欲しい人材が多く入学する場所になっていくと思います。

AO・推薦入試は「志望理由書」が9割
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