山本太郎議員の「火垂るの墓 」に対する感想というか、思いがネット上に載っていて、彼はずっとこの作品から逃げてきた。見たことがないということが書かれていたのだが、私もある意味逃げている人間の1人であって、小学校のとき以来、1度も見ていない。毎年金曜ロードショーとかで再放送されてはいるけど、絶対に見ないと決めている。それだけ悲惨な映画はとてもじゃないが観られない。何が悲惨かって?ストーリーじゃないんだよね。節子が可哀想とか、そういうものでもないのです。むしろ、そんなところはどうでも良いように感じてしまう。ある1シーンが15年以上前の記憶だけど、頭から離れないのです。Googleの検索予測を利用して、「火垂るの墓 」というキーワードを入れて、スペースを入れて、「み」と入力すると、「ミイラ」という単語が出てくるんだ。つまり、多くの人が「火垂るの墓 ミイラ」というキーワードで検索をしているということ。このミイラって何のことなのか?わからない人も多いのかもしれないが、私にはすぐに分かった。
何故かというと、私の心のトラウマとして残っている1シーンのことを指しているとすぐに分かったから。確かあれはミイラだ。分からない人もいると思うので、詳しく書くと、このミイラって何か?っていうと、主人公の男の子(名前を覚えていないので調べたら清太というらしい)の母親なんです。見たことのある人は覚えているかもしれない。いよいよ戦争が本格化してこようとするときにこの清太と節子とその母親が防空壕に逃げようとするのだが、一足先に逃げようとした母親が空襲に遭い、全身に大火傷を負う。清太と節子はとりあえずこの時点では生き延びたが、母親はまるで別人の姿に。そのときの全身包帯ぐるぐる巻き、言葉も発せられないほどで「うー・・・」と、ただ唸っているだけの姿が、今思い出して衝撃すぎるし、残酷すぎる。それを形容してミイラなんでしょう。全体のストーリーなんかよりもこのシーンが衝撃的過ぎて、ここしか印象がない。
空襲に会う前に母親と子供2人の3人で楽しく会話しているシーンがあっただけに、物凄い目を覆いたくなる光景としか言いようがない。数々の戦争体験とか、戦争の映像を見聞きしてきたが、私にとっては、このシーン以上に胸に刺さるものはない。アニメとは思えない感覚に襲われて、トラウマについて時がたつにつれて大分マシになったが、はっきり言うと、子供に見せる教師の気が知れないという感じです。いまだに思う。というか、大人になってから余計に思う。あれこそ真の年齢指定をすべき作品に思えてきます。大人が見ても同様かもしれないが、自分の意思じゃなく、強制的に見させられる子供がかわいそうだと思った、他の人はそんなにトラウマには感じていないかもしれないが、私にとってはもうダメだ。一生見れないし、一生見ないと誓った唯一の作品かもしれない。この作品を2度と見たくないという人は多くいると思うのだが、理由が違うと思う。私は何度も言うが、作品のストーリーや結末には全く興味がない。心も動かされない。戦争ってそんなもんだろうという印象でしかないのだが、あの1シーンだけは強烈過ぎた。
さて、今の小学生とかはあれを観るんだろうか?20年以上前には、全国の映画館であれを見た子供たちが大勢いたでしょう。当時はとなりのトトロとの同時上映だったらしい。となりのトトロを見た後に、あれを見てどういう気分で家路に着くんだろうか?を思うと、本当に可哀想にも思えてくるが。そんな理由でとなりのトトロは当時は大不振でほとんど人気なかったのだとか。それが後世になってあれだけの有名作品になったんですからね。私はあの作品は殺人現場の写真を見せる以上の衝撃に思えてくるので、誰にもすすめたくないし、見て欲しいとも思わない。今の子供たちも見ない方が良いんじゃないか?と思う。戦争教育をやるのは自由だが、もっと別の形でやってほしいと思う。ある種、戦争を起こさないためには、そういう人間を作っていく必要があるのだろうし、トラウマになるくらいに戦争に対してのイメージを植えつけられたならば、教育としては成功と言えるかもしれないが、その代償は大きい。本当にあの作品は2度とごめんだ。ファンの方には申し訳ないが、どうしても無理なのです。
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