例えばね、特定のプロ野球選手の貰っている年俸に対して「貰いすぎだ!」とか、言う人たちがいるわけですよ。そんなことを言っているのは、その選手が所属する球団のファンで、その選手の成績と年俸が釣り合っていないことに対して、多分腹が立っているのでしょう。こういう光景は意外とよく見る。以前、ひろゆき氏とホリエモンが出演したときのTVタックルで、ネット規制の有無について話し合ったのですが、そこに同じく出演していたネット規制賛成派の人たちがいました。ホリエモンとひろゆき氏は反対だったわけですが、この2人に無双されてしまって、テレビ的にはこの3人が論破された感じに映ってしまった感がありました。で、その回がYoutubeにアップされていて、その動画のコメント欄を見るとね、「こんな的外れなことを言っている人たち出演料を貰っていることが問題」と書いてあるわけですよ。的外れっていうのは、恐らくネット規制賛成派の3人のことだと思います。
言いたいことは多分、さっきのプロ野球選手の年俸の問題と多分同じでしょう。働き振りが悪いのに、何でギャラ貰ってんだ?ってことを多分言いたいんだと思うが、彼らは言われたとおりに働いたんだから、給料を貰って当然だ。プロ野球選手は基本的には成績によって、年俸が決まる仕組みだが、別にコメンテーターはそこで給料が決まるわけじゃない。番組内でただ意見を言えば良いだけだ。的を射たコメントをしないといけないのがコメンテーターではないと思う。毎回的外れなことを言っていれば、彼らの需要がなくなるだけだから、毎回そうではないんだろう。今回のテーマについて、たまたま見識が浅かったりしたのではないか?と思うのです。おまけに日本は自由競争だ。市場原理に沿ってサービスの対価が決まる。コメンテーターはあらかじめ言われた金額に沿って対価を貰ったに過ぎない。その契約内容は恐らく成果主義じゃないはず。だいたい、コメンテーターの成果って何だ?って問題もあるが。ちゃんと番組内でコメントしましたよ?というのが、彼らの任務であって、その内容は彼らの今後の仕事や名誉やプライドにかかわる部分であって、今回の仕事のギャラとは一切関係がない。
むしろ、毎回的外れなことを言っていたとしても、それに何故か需要が生まれるのならば、その人が別に給料貰ったって良いと思うのです。その行為は違法でも何でもない。例えば、品質がユニクロと同じくらいでも、値段が全然違う服とかがあるわけですよ。洋服のデザインや質は大して変わらないのに、ユニクロのタグがつけば1000円、別のブランドのタグがつけば10000円だったりすることが普通にある。これが許されているのが市場原理に基づいた自由競争の世界だ。まともなコメントが出来ないコメンテーターはギャラを貰うなということは、コメンテーターの需要如何ではなく、働き振りのみに着目してギャラを決めろという意見なんでしょう。それを今回の洋服に当てはめると、品質で値段を設定しろということになる。つまり、品質が同じなら、値段も同じにしろということか。ここは本当に資本主義国なのかな?そして、会社員とかの給料も、会社の規模関係なく、働き振りが一緒なら金額を一緒にしないといけない。何だか社会主義国みたいな感じになってきたな。
このコメントをした人が働いているのであれば、じゃあ自分の給料は自身の働き振りから見て不相応じゃないのか?どうして不相応じゃないと言えるのか?不相応な部分を見つけてしまうことはいたって簡単だと思うし、そこに今回と同じような文句をいうことも簡単でしょう。人はいろいろなところをお金を貰っている。働いてもらっている人もいれば、お小遣いや遺産という形で、何かの対価ではなく貰う場合も、それに関係ない第3者が首を突っ込んで、文句を言い合う世の中が正しいのか?だいたい、こんなのは人の主観によるものだから、文句を言っている人の言い分が正しいわけがない。働き振りと釣り合うか?どうかなんて人によって違う。そして、別につりあわなくたって良いだろう。つりあわないといけけない根拠って、どこにあるんだろうか?釣り合わないのがダメというのなら、それを主導している国に言うべきだと思うのだが。何故か、国民に文句が飛んでくる謎な光景が広がっているのです。謎な理屈からくる謎な意見にしか思えないのです。冒頭で言ったプロ野球選手の年俸も同様ですね。球団と選手の問題であって、ファンがいちいち言うことなのかな?と思うが。嫌ならファン辞めれば良いのにと思う。ファンに何の迷惑がかかっているんですかね?嫉妬なんですかね?嫉妬なら気持ちは分からないでもないが、口に出して言うべきことじゃないと思うんですけどね。こういう光景を見るたびに、そういう枠組みを作っている国に文句が飛ばないのか?理解できなないのだが。

インターネットは永遠にリアル社会を超えられない (携書137)
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