世の中のサラリーマンの平均年収はどんどん下がり続けているらしい。例えば、35歳のサラリーマンを例にすると、10年前は500万円台だったのが、今は300万円台と、かなり顕著な下がり具合ですね。ただ、200万円も下がったのに、大して危機感を感じる文句は出てこない。愚痴程度の文句は出てくるが、こんな状態ではそりゃ下がるわ。という話になってしまう。200万円下がるって、相当ですよね。ただ、その200万円下がっているのに、あまり社会問題になっているような感じがしないのは、それは愚痴程度を言うくらいで済んでしまうからです。例えば、食べ物に関していえば、安い牛丼屋があるし、そこで済ませばなんとかなる。結婚について言えば、共働きすればなんとかなる。結局「なんとかなる」んです。文句は出てくるよ?当然ね。でも、なんとかなるから、それ以上の文句にならないのです。
テクノロジーが進化したり、安い外国人労働者が多く働くようになってから、確かに牛丼屋のような安く最低限の飯にありつける機会は増えた。ただ、そういう便利な部分が増えると、給料を下げても問題ないでしょ?という風潮がまかり通りやすくなる。それは経営者としても、会社のコストをできるだけ下げたいのは当然なんだけど、従業員の生活を考えたとき、さすがに生きていくのが厳しくなるような状況には追い込みたくないと思う人が多いと思う。そうじゃない冷酷な人もいるかもしれませんけどね。だから、普通はそこで歯止めが利くと思うんです。ただ、牛丼屋もあるし、別に給料下げても困らないよね?という安全弁があるせいで、給料を気軽に下げやすくなってしまう。それに対する文句も大したものじゃないとなれば、経営者も好き勝手に給料下げ放題の事態を招く。
そういう意味では、殴ったり、蹴ったりする相手が全く抵抗してこなければ、引き続き殴ったり、蹴ったりするだけのような気もするが、起きているのはそれと同じなんだと思う。実際、牛丼屋などの低価格サービスを売りにするお店とか、無料でサービスを提供する団体などが昔と比べたら増えてきましたよ。その流れの中で、各企業が生き残っていくには、最終的には人件費を切り詰めるしかない。実際、牛丼チェーン店が安く牛丼を提供できる理由もそこにある。つまり、みんなでみんなの首を絞めている状況なんじゃないか?と。思う。低価格や無料のサービスって、消費者は嬉しいかもしれないけど、それが存在すると、それ以外の企業もそれに勝つために同じようなサービスを考えないといけない。すると、人件費が切り詰められ、給料が下がる。結局、消費者も一労働者ならば、それはそれで困る。ブロガーの小飼弾氏は「昔は普通nの人が作ったものが売れていたが、今は消費者の目が肥えたから、サイヤ人の作ったモノじゃないと売れなくなった」としています。
無料や非常に安い価格で手に入るものが増えたため、お金を出してまで、高いお金を出してまで買う物に対するハードルが上がってしまった。安い牛丼とかはその一例です。コンビニとかで食べ物を買っていても、値下げしている商品が増えている気もする。居酒屋で酒以外の食べ物を注文する客が多く、酒は頼まないから、お店の売り上げに影響しているなんていう記事も見たが、これも安くて美味しい料理を居酒屋で頼んで、高い酒は家で飲むとか、そういう考えの人もいるかもしれないですね。高いものを買ってもらうためには相当な品質が伴っていないと厳しくなってしまった。昨今叫ばれている景気が悪いってところと連動していると思うけど、高いものを買ってもらえなくなってしまったのです。すると、威光価格みたいに高級品を作って、金持ちに販売するビジネスモデルはやや縮小傾向にあるのかもしれない。安い商品をいかに多くに売るか?に転じる企業も多いのかもしれない。それが何度も説明したように、最終的に働く人の給料が下がり続けるという結果を生むのかもしれないですね。安いモノを便利だ!と思って買い続けるからこそ、あなたの旦那さんの給料は上がらないどころか、下がる。ただ、給料が下がり続ける中で、高いものは買えないという事情もあり、1度嵌ったこの傾向から抜け出すのは非常に厳しい。
イケダハヤト氏や森永琢郎氏は、今後いるになるか?分からないが年収150万円くらいまで下がるのでは?としています。150万円台は極端かもしれないが、20代とか、30代前半くらいまでならありえるかもしれない。今、働く人の全年齢の平均年収は400万円強らしいが、森永さんの予測によると、近い将来300万円台くらいまでは下がるらしい。人件費がかかる一般の企業では、この傾向が変わる気配はあまりないかもしれない。どこか歯止めは利くだろうが、どこで利くか?300万円台の平均年収は割と現実味がある数字のように思います。300万円台になっても、暮らしていくことは可能でしょう。ただ、最低限必要なモノにお金がとられすぎて、自由に使える分があまり残らず、本当に生きるためだけに働く人が今後増えるのかな?と思ってしまいます。格差が広がるってことでしょうかね?それはサラリーマンの中でもそうかもしれないが、サラリーマンをやっている人とそうじゃない人でも格差は広がるかもしれない。物の値段がどんどん下がり続ければ生活に困ることはないのかもしれないが、さっきも言ったように、みんなでみんなの首を絞めあっている状況に等しいのかもしれない。ただ、そこから抜け出す術は今のところ見つかっていない。ベーシックインカムのような強制的に所得を上げるような政策ができれば、高いものとかも買ってくれるようになって、状況は変わるかもしれないが。バブルの頃は日産のシーマがよく売れたらしいですね。みんながシーマを買った理由は「1番高かったから」らしいです。今では信じられない言動ですね。バブルの頃に生まれた私にとっては特にね。そんな時代が再びくることはあるのでしょうか?

年収150万円で僕らは自由に生きていく (星海社新書)
- 作者: イケダハヤト
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 537回
- この商品を含むブログ (24件) を見る