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「ライアーゲーム」に見る資本主義と社会主義の対立

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「ライアーゲーム」という作品をご存知でしょうか?何年か前にテレビドラマ化もされたマンガで、映画も2作品ほど公開されています。私は原作は読んだことありませんが、テレビドラマでハマってしまい、映画もテレビで放送されたものは見たことがあります。作品をよく知らない方に簡単な解説をすると、主人公は神崎直というバカ正直で、人を疑うことを知らない、すぐに騙される女子大生です。そして、元天才詐欺師の秋山深一、そして職業はよく分からないが、神崎直と性格は真逆で、とにかくを人を欺くことを快感を覚える福永ユウジ、この3人がだいたいレギュラーです。この3人と毎回ゲームごとに入れ替わる参加者数人をもとに謎の主催者が開催するライアーゲームに巻き込まれていく。その様子を描いたのが「ライアーゲーム」になります。テレビドラマを観ていて、凄い面白いなと思いました。

 

要はある程度のルールが設定されていて、その中なら暴力行為以外なら何をしても良い。相手を欺き、騙して、最終的に優勝すると莫大な賞金を得られる代わりに敗者は莫大な借金を背負わされるという惨いストーリーです。何だか現代社会と似ていますね。このライアーゲームは資本主義社会と社会主義社会の対立の構図としても描かれているのではないか?とも言われています。というのも、主人公の神崎直は、みんなが欲張りをしなければ、みんなが全員幸せになれる。それをゲームの必勝法としており、毎回その姿勢を貫くのですが、福永を含めて他の参加者はだいたいその意見に聞く耳を持たない。そして、福永を含めて他の参加者たちに騙され続けていく。神崎は1人敗者になるか?と思いきや、天才詐欺師秋山の助けにより、毎回最終的にはゲームを勝ち抜くのです。

 

先ほど資本主義VS社会主義の構図ということを述べましたが、それが1番分かりやすいのが、映画として公開された「Liar Game Final Stage」です。公開されたのは、今から3、4年前ですかね?ここでライアーゲームの予選を勝ち抜いてきた参加者同士による決勝戦が開かれ、エデンの園ゲームが行われます。これは赤、金、銀の3種類のリンゴがあり、各プレイヤーはこの3種類のうち、任意の1個を自由に投票する。プレイヤーが10数人いて、その中で多数決を行い、最も多く投票されたリンゴの色に投票したプレイヤーには+1億円、それ以外のプレイヤー、つまり少数派になってしまったプレイヤーには-1億円となります。しかし、全員が同じ色のリンゴに投票すると、全員が-1億円になってしまうのです。ただ、赤いリンゴだけに関して言えば、全員が同じ色に投票しても全員が+1億円になるのです。しかし、赤いリンゴは全員投票の場合にのみ1億円獲得となり、1人でも別の色のリンゴに投票した人がいれば、その1人が1億円獲得、赤いリンゴに投票した人は全員-1億円となってしまいます。

 

お分かりいただけたでしょうか?当然、神崎直は全員が赤いリンゴに投票すべきだ!そうすれば、全員が+1億円になり万々歳!と主張し、他のプレイヤーもその意見に賛同したかのように見せかけます。ただ、実際にやってみると、赤いリンゴに投票したのはわずか数名・・・。現実的には明らかに赤いリンゴに投票するよりも、金か銀のリンゴに投票した方が得策なのです。それは赤いリンゴに投票して賞金獲得となるのは、全員投票した場合のみです。つまり、1人でも別の色のリンゴを投票してしまえば、赤いリンゴに投票した人は-1億円です。10数人いるメンバーの確率的にいっても、1人以上は裏切るものが出るだろうと予想するのが普通であり、結果的に赤いリンゴは全く揃わない。全員が赤いリンゴに投票すれば、全員が得をする。でも、別のリンゴに投票した方が、自分が得をする、損をしない確率は高くなる。福永は最初からプレイヤー全員を騙す気満々でしたが、それ以外のプレイヤーはこの葛藤に悩むことになります。

 

1回の投票で負債が1億つくことを考えると、1人の人生を狂わす壮大なゲームです。プレイヤー全員のことを考えるならば、神崎直のように赤いリンゴを絶対に投票すべきだ!なりますが、自分さえ良ければ良いという人や他のプレイヤーのことも分かるが、まずは自分が負債を抱えないことを第一に考えるプレイヤーは赤以外の金か銀のリンゴを投票しようとする。福永は特にそのパターンですね。本当に現代社会に通じるところがあるなと思いますよ。この3パターンの人間の中で、恐らく1番多いのは、自分以外の人の困っている人たちの生活のことも案じるが、最終的には自分のことを優先して、彼らのことを見てみぬ振りをする人たちでしょう。そして、次に多いのが他の人のことなんて知ったこっちゃない。自分さえ良ければそれで良いという人で、1番少ないのが自分を犠牲にしてでも、他の人たちのことを思いやれて行動できる人たち。つまり、神崎直みたいな人たちです。社会主義が成功せずに資本主義社会(これも成功していると言えるのか?微妙だけど)が支持されるのは、そういうのを望む人が多いから。つまり、作中でも神崎直の考えはほとんど理解されない。現代社会でも同じですね。

 

私は社会主義が理想とは思わない。今の資本主義社会よりはマシだとは思うけど、社会主義が理想郷とはなりづらいと思う。それは社会主義の理念自体は理想なのかもしれないが、人間というのは、どうも他人よりも優越感を感じたい生き物で、そういう感情を誰もが持っている。社会を構成する国民の大半がそうであるならば、そりゃ社会主義は根付かない。それを根津かせるためには独裁のような形になるか、または独裁者が自身の独裁を正当化するために社会主義国家を標榜するか、そういう感じになってしまうのです。世の中の構成員が全員神崎直のような人間ならば、社会主義も多分上手くいくんじゃないか?と思えるかもしれない。今の資本主義社会も問題は多くあり、当然私にとっても納得いく社会にはなっていない。いくらか社会主義的な要素を加えて、社会を変えていく必要性はかなりあると思う。ライアーゲームは、そのゲームの進行も非常に面白くて、私はハマってしまったのだけど、何か現実世界に通じるところもあって、見終わった後にいろいろと考えさせられることも多い。さて、皆さんはエデンの園ゲームで何色のリンゴを投じるでしょうか?

 

 

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