2003年にフジテレビの月9で放送された「ビギナー!」というドラマをご存知でしょうか?私が当時中学生だった頃にやっていたドラマですね。そのときはドラマとか全然見てなくて、後に再放送を見ることになるのだが、そのビギナーを再度また見てみたくなった。再送を見たときはおそらく、5年以上前だろうから内容はなんとなくしか覚えていない。ただ、何でそのビギナーをまた見ようと思ったか?というと、このドラマに主演だったミムラさんをたまたまテレ朝の深夜番組で見たからです。凄い懐かしい気持ちになって、「そういえば、この人前にドラマ出てたよなー」と思い、ちょっとまた見てみようか!となったのです。このドラマを見たことがない人に簡単な説明をすると、ビギナーのストーリーは、司法試験に無事合格した司法修習生と呼ばれる見習い(これから弁護士、裁判官、検察官等になるうえでの研修期間のようなもの)として集められたミムラ演じる楓由子ら8人の奮闘を描いた物語です。
キャストは他にも、オダギリジョー、堤真一、北村総一郎、我修院達也、奥菜恵、松雪泰子、横山めぐみなどと、何か懐かしい人たちの名前もあります。彼らは何の関係もなく、お互い他人として、司法修習生として同じ場に居合わせたのですが、縁あって、見習い期間中の課題をこなすときに一緒に取り組む仲間になり、彼ら法曹界の卵たちの成長振りが描かれているのです。私自身法律に興味、関心があるし、公務員試験程度の法律の知識であれば、ある程度理解できるから、結構見ていて頷ける部分が多い。ドラマでは、実際に起きた事例、判例をもとに視聴者もどう判決を下すべきか?というのを考えさせる問題提起のような側面もあり、見ている側も思考をめぐらせて感情移入したりして楽しめるんじゃないか?と思います。
例えば、第1話で出てきたのは、ある女性がサラ金からお金を借りたが、その女性が返済期限を過ぎても返済しないため、サラ金の従業員が督促に行く。しかし、それでも彼女は払わないため。サラ金は電報を使って、彼女宅に「至急金返せ!火の用心、火の元に注意、あの世行き」という謎めいた文章を送りつける。受け取り方によっては、放火を予告する内容でもあるため、この電報が脅迫罪にあたるか?どうかという点を彼ら8人で話し合うという場面が描かれています。法律に多少詳しい人が見ると、十分楽しめるんじゃないか?と思う。ただ、このドラマはこれだけでは終わらない。主人公の由子が唐突にあることを言い出す。それは「電報を受け取った側の会社のオペレーターの気持ち」についてです。この電報は、文面からして明らかに常軌を逸したものと受け取れると思うし、また「お悔やみ電報」と指定されたものらしい。
オペレーターにとって、詳しい事情は分からないものの、どう考えても、ただの電報には見えない内容をそのまま受け入れて電報として出さないといけない、ある種雇われの身としての辛さがあるのではないか?と、オペレーターの心情にまで言及している。ドラマでは、そのオペレーターの気持ちの問題は法律でもどうにもできない!と他の司法修習生に一蹴されるし、私も正直「どうしようもないよね」と思うしかないのだが、何か今の日本の状況を如実に表したシーンのような気がして、とても印象に残ったのです。内容が不適切だからといって、それを断れば会社の利益を損なうことになるし、それが判明すれば、間違いなく自分の立場が危ぶまれるが、明らかに傷つく人が生まれるのが目に見えた状況で、この電報を受理するしかないもどかしさ、悔しさのような心情を由子は思いやったのでしょう。ドラマではオペレーターが顔色1つ変えず淡々と依頼された電報の文面を声に出しながら復唱し、入力するシーンが描かれているが、それがあまりにもシュールすぎて・・・。
実際の司法修習生の研修風景はおそらくこんな感じではなく、ドラマだから脚色されている部分はあるようだけど、非常に興味深い。だいたい、こういう議論をする機会って、そうあるもんでもないから(特に会社勤めじゃないと)、凄い新鮮に感じる。社会ではいろいろな理不尽なことがある。その理不尽を全てどうにかできるわけではないが、ドラマでは8人のうちの森乃望(松雪泰子)が「自分以外の他人の人生について考えることも重要じゃない?」と、オペレーターの心情にまで言及した、由子の課題を痛烈に批判した教官に詰め寄るシーンもあり、ドラマだからできることと理解しながらも、何か最後はすっきりした気分になれた。本当に自分がどういう立場にあったとして、世の中にはいろいろな人がいるし、その人たちの生き方を理解してあげるということは非常に重要だと思う。第2話以降も非常に楽しみです。アマゾンのレビューの評価が凄い高いですね。絶賛の声が多数です。

ビギナー 完全版 DVD-BOX
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