なぜ私たちは働かないといけないのか?というか、どうして働かないと生活ができないようなシステムになっているのか?の方が適切でしょうか?多くの人は働かないと生活費が得られずに生きていくことが困難です。だから、働く。一部働かないでも生活可能な人がいます。それはいろいろな理由からでしょう。親からの援助を受けているとかは代表的な例でしょうね。セレブニートなんて言葉がありますけど、彼らは働かなくても十分生活していける特権階級です、しかし、現実的には多くの国民は働かないと生活が成り立たない。だから、仕方なく働こうとします。しかし、この21世紀に別に今と同じように全員が働かなくても国は回るし、国民は十分暮らせるし、経済は落ち込まないといったことがベーシックインカムの話題になるといわれることがあります。実際にそう言われてみればそうかもしれない。でも、国は全員が今まで通り働くような社会のシステムを変えようとはしない。それは何故だろうか?
実際、ベーシックインカム賛成論者のブロガー小飼弾氏は、働く意味について考えたときに、「実はみんな仕事だと思っているのは違う。やっているのはただの再分配なんだ」と言っており、仕事を通して、誰がどれだけ手にする権利があるのか?を争っているに過ぎない。仕事をする以前に分配するものはちゃんと整っている。だから、その上で仕事をしたって、それは再分配に過ぎないってことなんでしょうかね?彼はさらに「働かないと生きていけないような人は、働くだけ無駄なの!いや、これ本当にそうなの(笑)」と言ったかと思うと、同じ場にいた堀江貴文氏が「だから、みんなが仕事だと思っていたのは仕事じゃないんだよ!」と言い放ちます。この会話は見ていて面白かったです。小飼氏の代表作は以下の本になるので、興味のある方は是非見てみてください。

働かざるもの、飢えるべからず。
- 作者: 小飼弾
- 出版社/メーカー: サンガ
- 発売日: 2009/11/26
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実際、ベーシックインカムもやろうと思えば可能で、みんなが豊かに、一定水準以上の生活をできる状態が整いつつあるのに、それをやらないのは何故か?それは働く人がいなくなると困る人がいるからだ。それは細かく分類するといろいろなカテゴリーに分けられると思うのだけど、1番大きな存在は国です。働く人がいなくなると国を操作できる立場の人間が困る。ここで、会社の経営者を例に出すと、彼らは従業員が働いてくれているから、自らはそこまで大変な仕事を負ってはいない。少なくとも肉体的な労働はしていないだろう。彼らの仕事の大部分は意思決定です。会社の経営者は、従業員を雇って働かせ、そのあがりで食っている。という見方もできるでしょう。本来、自分1人で仕事をしていたら、100頑張って、100のリターンを得られるところを、会社を経営すると、10頑張って70のリターンを得られる。そういった現象が起きるのです。
従業員を多く雇って、会社を大きくしてくと、10の頑張りで100でも200でもリターンがくるようになるでしょう。要はお金を得るための効率性を重視するからこそ、起業家の多くは会社を立ち上げるのです。その方が明らかに楽なんですわ。だから、経営者としては、従業員(働く人)がいなくなると困りますよね。今まで通りの効率の良い稼ぎがなくなってしまうので。再び自分が100頑張らないといけない生活に逆戻りです。それと同じことが国にもいえると思いますよ。国を操ることができるトップに位置する人間は、結局はやっていることは会社の経営者と同じようなことだと思います。彼らが一体給料いくら貰っているのか?定かではありませんが、内閣総理大臣やその他国務大臣レベルなら、一般庶民とは相当かけ離れた金額を貰っていると思います。公務員というのは、そもそも給料は税金から出ているので、働く人がいなくなれば、税金は0にはなりませんけど、相当程度縮減されてしまい、公務員に支払うことのできる部分は限りなく少なくなり、結果的に公務員の多くは自動的に職を失うでしょう。
以前「「なぜ勉強しないといけないのか?」に対する本当の理由 - 就職しないで、ブロガーになった人のBlog」でもお話したように、だからこそ子供の頃から教育を通して働くことを教えて、彼らが大人になったときに当たり前のように働くように仕向ける。そして、働く大人で世の中が溢れれば、日本人の多くは、大人になれば働くことが当たり前なのか?と錯覚したり、働かないと仲間はずれになってしまい、少数派は自動的に多くの働く人たちから虐げられるといった恐怖から、仕方なく働くことを選択する。現代では、無職に対しての風当たりは物凄く強いのがこれを象徴していますよね。無職に対する風当たりが強いと、無職の多くも働こうとしてくれますから、まんまと思うように国民が操られている。そこは国が意図したのか?は分かりませんけど、そういうサイクルがあるように思うのです。
私たちが働いている理由のうち、結構な割合としては公務員を養うためだと思います。ただ、それが明るみになると、良いように利用されていると思って、逆上したり、怒り出す国民がいるので、名目上「働かないと生きていけないような世の中」を作って、自分のために働くんですよ?といった、もっともらしいというか、国民が仕方ない・・・。と納得してくれそうな状況を作り出しているのです。実際問題、利用されているといっても、公務員がいないと現実の生活は困る場面が多いので、対価として税金から給料を払うのは、今の社会のシステムを前提とするならば、公務員は必要な職業であり、その公務員を養うためであっても、働く人が必要というのはその通りでしょう。また、公務員の立場からしてみれば、働いているのだから当然給料は貰う権利はあります。それがどこから出るのか?違いでしかない。他に候補がないから、今は税金から出すしかないというだけでしょう。
今の世の中を続いていくならば、依然として働かないといけない人が続出する状況は変わらない。ベーシックインカムのような「極論すれば、全員が働かなくても生きていける世の中」を作って、世の中を根本から変えるとなると、天変地異同然の社会システムの革命が起きてしまう。公務員も大部分は存在しえなくなるし、そうなると今と同じように国は立ち行かなくなって、いよいよ滅亡か?なんてことになるかもしれない。ただ、それは本当に多くの人が働かなくなった場合ですけどね。個人的には、以前「「ベーシックインカムが導入されたら皆働かない」←これは嘘 - 就職しないで、ブロガーになった人のBlog」でも説明した通り、働く人はほとんど減らないだろうと思います。起きるのは働き方の変化だろうと思うのです。ですから、現実的に今と社会システムをほとんど変えずに、働かなくても良い社会(働くか?働かないか?を各自が自由に決定できる社会)はやろうと思えば実現可能な気がします。

誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国
- 作者: シルヴァーノ・アゴスティ
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2008/06/26
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