就職しないで、ブロガーになった人のBlog

就職して雇われてお金を稼ぐという従来の働き方にとらわれない、未来の生き方を模索していきましょう。

「なぜ人を殺してはいけない?」←誰もが納得する理由はない

【スポンサードリンク】

はてなブログのトップページに「どうして人を殺してはいけないのか?」について語られているブログが掲載されていて、非常に活気付いていたので読んでみました。そこでは、結局、「理由は見出せない」という結論で終わっていました。こういう話題になったのは最近のあの事件が原因でしょうけど。Yahoo知恵袋、2chまとめサイトなんかで検索してみると、この類の質問はよく見られます。それに対する答えは、だいたい想像がつくものばかり。いわゆる一般的な学校教育や過程の教育などで言われることが多い「空気を読んだ回答」であることが多いと思います。私もこの問題に関してはいろいろと哲学的にも考えたことがありますが、実は私が出した答えというのも、「理由なんかない」というものです。そう、簡単に言ってしまうと、「人を殺してはいけない」という1番の根拠になりそうな法律でさえ、人間の手によって作られたものだからです。

 

つまり、法律っていうと、明らかな善悪の基準みたいに思えるかもしれませんが、絶対にそうではないと思います。法律は何で作られるか?それは国家にとって、都合が良いからです。つまり、国民が国家にとって都合の良いように生きてほしいから、その目安を示していると思います。法律というのは、別の言い方をすれば一部の人間が主張している意見ということもいえるでしょう。法律を作ったのは私たちと同じ人間です。神ではありません。つまり、「人を殺してはいけない」という法律があるならば、じゃあ誰かが「人を殺しても良い」という法律を作ることも理論上は可能だし、それが仮にできたなら、その2つの法律は全くもって対等になってしまうと思います。

 

「人を殺してはいけない」という法律があったとして、それがあるのは一般市民以上に恨みを買いやすい政治家の命が狙われるのを防ぐため。また、世の中が人殺しで溢れれば、混沌とした日常となり、国が機能不全に陥りやすくなり、国が正常なシステムを機能させることによって、恩恵を受けている人間が困るからです。そして、一般市民の多くにとっても、彼らも命を狙われるリスクが皆無ではなく、それを遵守した方が明らかに得策だろうと判断したためです。要は自分も誰かを殺したいという欲求があるわけではないし、自分が殺されたくないなら、じゃあ殺さないのがベストだよね。ってことです。多数決で、世の中では「人を殺さない方が良い」という考えがより多くの人に広まっている。そして、その考えを持った人は、その他大勢に布教活動でもするかのように教えている。親や教師が子供に「人を殺してはいけない」といったことを教えるケースはよくあると思いますが、その世代間のサイクルもあり、昔から今に至るまで、その多数派の考えが繰り返し伝授されてきたんでしょう。

 

「人を殺してはいけないなんて当たり前だろ?」と思う人、特に疑問に思わないで信じている人が多数を占める理由、メカニズムはこんなところかな?と思います。でも、理由を見出せるか?というと、説得力のある理由が中々ないのです。少なくとも、全く反論を許さないような理由がなかなか見つからない。

 

・自分が殺されたくないなら殺してはいけない

これが挙げられている理由としては非常に多いような気がします。この回答については、普通に考えたら、じゃあ一時期流行した「死刑になりたかった」という理由の殺人が肯定されてしまいます。あとは自爆テロとかもね。理屈で考えたら、多分この理由が1番しっくりきそうな気がしますが、「人は誰もが殺されたくない、死にたくないはずだ」というこれも多数派の考えがあってこその意見でしょう。その考え自体は間違いなく多数派だと思います。しかし、少数派に位置する人たちもいるのです。いわゆる例外として扱われる人がいる限り、この理由は必ずしも通用しないのかな?と思います。

 

・殺し合いが認められると、最後は人類が滅亡するから

人類が滅亡すると、何かダメなんですかね?唐突に凄いことを言った気がしますけど。何で人類が最終的に滅亡するとダメなんでしょう?人類がいない方が、自然環境や他の動物にとっては間違いなく良いことだと思いますけどね。人類は本当に相当な迷惑をかけている種だと思いますよ。他の動物や植物に口が聞けたなら、何て言われるか?分からないくらいに。だから、人類が滅亡することが一概ダメだとはいえないと思います。だって、凶悪殺人犯が死刑になっても、誰も文句言わないでしょう。それは明らかに自分たちにとって脅威な人の存在が消えて、むしろ安心感すら覚えるはず。凶悪殺人犯が滅亡するなら、みんな喜びますよね。それは人に迷惑をかける存在だから。じゃあ、同じように別の対象に多大な迷惑をかけている人類が滅亡することは何故いけないのか?動物や植物にとっては大喜びじゃないですか?要は、「人類が滅亡するから」なんて理由は、殺人をする側に近い、非常に身勝手なモノの考え方をしているのではないか?と思います。凶悪殺人犯には自分が含まれない。でも、人類には自分が、そしてその家族や子孫が含まれるから。

 

・「殺人罪」があることによって、違和感を感じないから

これを主張している人はほとんどいません。というか、ネットサーフィンしていたら、たまたま見つけたもので、この角度から殺人がいけない理由を説明したいたのは初めて見ました。あえて言うなら、これが1番説得力がありそうです。これを詳しく説明すると、「就寝したら罪」のようなものがあったら、それはみんな怒るだろうし、違和感を感じる。しかし、「人殺しをしたら罪」という法律があっても、誰も怒らないだろうし、違和感を感じる人はほぼいない。だから、それが正当化されるということみたいです。確かに、私もその通りだな。と思えました。でも、そりゃそうなんですよ。寝たら罪なんて法律がこれまでなかったのに、新しくできたらそりゃ違和感感じるに決まってるんです。人を殺したら罪なんていつからあるんでしょう?少なくとも、私はこれまでの人生をずっと、その法律が存在しているうえで生きてきましたから。

 

そりゃ、ずっと存在していたものに対して違和感を感じないのは当たり前だと思うんです。それは、長い間法律が存在していたから。だけではなく、幼い頃から親や学校教育でそう教えられてきたから。子供のときに植え付けられたモノはなかなか払拭できないし、子供にとっては大人のいうことが正しいことという認識があるから。それがどんなものでも、ある程度は違和感なく自動的に受け入れてられるのです。逆に過去から寝たら罪という法律があったら、それを今まで同じように守り抜いてきたんじゃないですかね?そうなると、今の私たちからすると、それをおそらく違和感なく受け入れるのではないでしょうか?また、今まさに新しくできた法律だって、例えば、違法ダウンロードの法律など、成立当初から否定的な意見が多いものもありますから、違和感がある、ないだけで決めてしまうのはどうかな?という感じがします。違法ダウンロードに罰則は必要ないという意見もありますけど、法律を基準にするなら、違法ダウンロードも絶対にやってはいけない行為であり、国民の多くがそう認識しないといけない。となりそうですが、そうはなっていません。ただ、この法律も時間が経てば、国民の認識が変わる可能性もありますけどね。

 

結局、今から新しくできるモノと、すでに長い間存在してきたモノを比較するのは、どうなのかな?と思います。ましてや、合理性よりも伝統を重んじるのが日本人の特徴ですからね。価値観や認識にに変化があるはずなんです。また、例えば動物は動物同士で殺しあっています。それは動物を殺さないといけない状況があるから。というのが、1番納得のいく理由でしょう。動物は動物を殺さないと食べるものがないから。特に肉食動物は。人間が動物を殺す理由も食っていくためです。逆にいうと、人間が人間を日常的に殺さなくて済む理由は、食うための動物が存在してくれているからです。動物が滅亡したらどうしますか?どうやって生きていきますか?人間を殺して、その肉を食べるしか道がないような気がしますが。そして、その状況が未来永劫続くことになるでしょう。そうなると、そこからは人を殺してはいけないなんてことを守っている余裕もなくなるし、そんなかつて存在した常識のようなものも、人々の頭の中から消えていると思います。

 

つまり、状況によっては人を殺す真っ当な理由が存在してしまうし、「人を殺してはいけない」と考える人の数も激減する可能性があるということです。それは死刑や戦争もそうかもしれません。状況によってはそういう人を殺さないといけない事態、人を殺してはいけないと思う人間が限りなく減るような事態があるのなら、「人を殺してはいけない理由」の説得力は相当程度乏しくなってしまいます。冒頭でも述べましたが、事実として存在するのは「人を殺してはいけない」という真理ではなく、「人を殺してはいけない」という考えを支持する多数の国民です。多数決をとったときの多数派がいつでも正解という前提がなければ、この考えが正解=真理となることはないでしょう。だから、理由を考えればいくらでも思いつくけど、いくらでも反論されてしまうと、到底真理とは言えないのではないか?と思います。

 

 

あなたは間違っている “常識

あなたは間違っている “常識"を疑うための哲学講義

  • 作者: 小川仁志
  • 出版社/メーカー: あさ出版
  • 発売日: 2012/12/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • クリック: 1回
  • この商品を含むブログ (2件) を見る
 

 

あわせて読みたい記事