世の中には数多くの働く必要のない人が働いている。私もその一人かもしれない。というのも、今お金を稼がないと生きていけないという危機的状況ではないからです。要するに貯金があるから。世の中で働いている人の大半はある程度の貯金があるはず。その貯金を使って生活していけるのに、何故か働いている。貯金がなくなりそうな直前に働けば良いのに。と何気なく最近思っています。そうしないのは、将来のためにお金を残しておきたい心理的な面があるから。この先いつお金が必要になるか?分からないからこそ、念のために働いているのでしょう。そういう状況は確かにいつ訪れるか?も分からない。だから、念のために働くことは意味がないとは言えません。
しかし、今絶対に働かないといけない人が働いてしまっているために、今まさに働かないと生けていけない人が働けない、またはまともな条件や環境で働けないということが起きているのです。電車で座っていると、たまにお年寄りの人なども乗ってきて、席を譲るのが良いという風潮があります。これは席に座る必要性の乏しい人が、席に座る必要性のよりある人に対して、席を譲る行為です。別にこれは矯正されるべきものじゃないですが、それをした方が良いとされています。しかし、仕事はそうじゃない。貯金がある程度あるし、家もあるし、生活に必要な備品も揃っているし、今働かないといけない確実な理由はないのに、働く人が大勢いる。それによって、求人はどんどん埋め尽くされ、貯金もないし、家もないし、何もない人たちの仕事がなくなってきている。厳密にいえばあるのですが、そもそも彼らは採用されなかったり、採用されるような仕事は酷い条件のところばかり。そういう仕事のみで食いつないでいる人たちがいるはず。
ニートに対して、働け!と言う人たちがいますが、こういうニートは本当にありがたい存在だと思います。だって、働く必要がないからこそニートができているんでしょうし。彼らは働く必要がないから働いていない。彼らまで働き出したら、さらに求人は減っていく。もうブラックな求人しか残らなくなり、そういう仕事しか採用されない人がどんどん出てくるかもしれません。だから、彼らは非常に合理的な生き方をしており、社会に貢献していると見ることができます。働く必要のない人は家でのんびりしている。それができれば、本当にゆとりのある生活が浸透して、毎日疲弊して電車で寝ているサラリーマンとかもいなくなるんじゃないかな?と思います。国民全員がその日暮らしじゃないですけど、働く必要のある働く光景ってのが、人間らしい光景なのかな?と思います。
見ていて1番ちょっと・・・。と思うのが、過労死をしてしまう人たちです。彼らだって、おそらく別に今働かないと死んでしまうような経済状況ではなかったはずです。にもかかわらず、会社の都合の良い言いなりになってしまった結果、生命を犠牲にしてまで、やる必要のない仕事にこだわってしまった。どうしてそこまで異常な労働実態の仕事を続けるのか?それはやはり将来のことが頭にあったのでしょう。正社員の資格を失うと、将来に響くから。しかし、未来のことにあまりにこだわりすぎた結果が今を崩壊させてしまったんですよね。正社員として働き続けるには、会社の無理難題に従う必要があった。それは未来のためを思ってやったことであるはずです。その未来がくる前に命を落とす人たちが出てくるのは、ちょっと私としては理解ができないです。
そういう事態を生むのは、やはり空白期間を作ることなく、ストレートに人生を歩んでくることが普通であり、それ以外の人を普通じゃないと締め出す風潮があるから。だから、将来的に仕事をする必要があるのなら、仕事をする必要が生まれたときに求職活動を始めて遅いんですよね。仕事をする必要がない段階から仕事を始めないと採用可能性がどんどん下がっていってしまう。だからこそ労働者にとっての無駄な労働というのがどんどん生まれていってしまう。そして、仕事をする期間というのを途切れさせてはいけない。短期職歴になってはいけない、空白期間を作ってはいけない、1度正社員になったらそれを手放してはいけない、という強迫観念に苛まれて、ある一定の年齢からは多くが社畜同様の生き方を強いられているのです。
これをみんなが辞めたら、本当にゆとりのある生活ができると思うんですけどね。先ほど挙げた、大学卒業からいきなり会社勤めを始めるようなストレートな人生、社会の中の多数派の生き方が多数派じゃなくなれば良いわけですよ。会社の人事担当者が空白期間のある人、既卒の人などを締め出す傾向にあるのは、単純に彼らが世の中の少数派だから。彼らが世の中の多数派になれば、そもそもどんな生き方をしている人が多数派なのか?分からないような状態になれば、採用する側もほとんど差別をしてこないと思います。結果的に働きたいときに働き始めることが容易になるのです。というか、各自が働く必要のあるときに働くと、働き始めるタイミングというのが人それぞれ異なってくるわけですから、新卒一括採用みたいにまとまった人数を計画的に採用することが難しくなります。そうすると、次にいつ応募者がくるか?分からないような企業は、応募者が来た時点で、多少スペック的に劣っていても、採用をせざるをえない状況になってくるのです。
世の中みんながそういう生き方、働き方をすればするほど、世の中の社会人がみんな生きやすくなるような気がします。本当に仕事中心という考え方から解放された、真の意味での人間らしい生き方というのが実践できるのではないでしょうか?それによって、国の経済状況は影響があるかもしれないけど、そもそも私たちは国の経済のために働いているわけじゃないから、それはしょうがない。過労死が普通に出るような労働環境を放置してきたツケでしょう。そういうツケを国に払ってもらうために、私はガチでそういう社会の到来を望んでいます。そもそも、国の経済力が落ちて何か問題でも?という問題もありますけど。そして、異常なブラック企業は早く、本当に早く淘汰されていってほしい。

働かないアリに意義がある! アリが教える“生き方"コミックエッセイ
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