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国家一般職の人事院面接は各省庁の優秀な人材確保を阻害してる

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公務員試験では、そろそろ面接試験の季節にさしかかるところだと思います。そして、昨日、今年の国会一般職の一次試験が行われたようで、サッカーワールドカップの日本対コートジボワール戦と重なって不運でしたが、それに屈せず頑張って試験を受けてきた受験生が大勢いました。さて、この国家一般職という試験種は一次試験が筆記試験で、それに合格すると、官庁訪問をして希望の省庁から内々定を貰うと同時に、人事院面接という国家一般職の試験そのものを司っている機関の面接を受けないといけません。非常にややこしいですね。つまり、二次試験として人事院面接で合格するとともに、それとは別の個別の省庁の面接を受けて、そこで合格しないと国家公務員として働けないのです。

 

私はこの人事院面接は必要ないのではないか?と思います。要するに、この人事院面接は国家公務員として適切な能力を見定めるための、かなりざっくりした面接ではないか?と思います。公務員として働かせて大丈夫か?というちょっと低いレベルに下げてチェックするようなものかもしれません。そして、官庁訪問は個別の省庁がうちで働かせて大丈夫か?という面を見るものであり、かなり個別具体的にチェックされるものだと思うのです。官庁訪問でも勿論、面接が複数回あって、それに合格すると内々定という状態になると思われます。しかし、内々定を手にしても、それと併行して行う人事院面接に合格しないと、内々定はなかったと同じになる。国家公務員になる資格を得られなくなるのです。

 

つまり、例えば経済産業省から内々定を貰ったということは、経済産業省にとって必要な人材だということになりますが、人事院が「あなたは国家公務員になる資格がありません」と言い放って、二次試験で不合格にしてしまう。そうなると、せっかく経済産業省で働きたい人、そして経済産業省が欲しい人が見つかったのに、おい!人事院!空気嫁よ!という形になってしまうのです。これは非常にもったいない事態に思えてしまいます。砂漠を歩いていたら、急にお腹が痛くなってきた。すると、なんと運が良いのか?すぐそばにブラックジャックが現れた。「ちょっと、私のこと診てくれませんか?」と頼んだけれど、彼は医師免許を持っていないから、診てくれないという。彼の腕は素晴らしいのは誰もが知っているのだが、医師免許がないというだけで、法律上は医療行為は行うべきじゃないという結論は法律上は正しい。しかし、こんなときにまでそんなことを言っている場合か?というのも現実的には正しいと思います。

 

ですから、人事院がやっていることは、砂漠にいる2人の間に現れて、「ブラックジャック先生、あなたは医師免許を持っていないのだから、診ない方が良いですよ?見殺しにしてしまいましょう」と言い放っているようなことに思えてくるのです。受験生が実際に働くのは個別の省庁なのだから、個別の省庁が欲しいならそれで良いだろうと。それを邪魔するようにしか見えない人事院面接は必要ないのではないか?と思うのです。人事院面接がなくなれば、大分すっきりしますよね。まず、官庁訪問だけに集中できます。人事院面接に不合格だったら・・・。ということを考えると、官庁訪問をいくらしても、その努力は無駄になるかもしれない。そうなると、気が逸れてしまって、あまり集中できない人が増えそうです。

 

時期的な問題もあります。2ちゃんねるのスレッドを見ていると、せめて同時併行じゃなくて、人事院面接が行われて、その合格者が決定してから官庁訪問スタートなら、ムダが最大限省けます。実際には官庁訪問の方が先にスタートして、その途中に人事院面接の日程が来るということになっています。ですから、そこが受験生からしても納得いかない、不都合が多いという理由だと思います。実際問題として、省庁から内々定が出ているのに、人事院面接で不合格を食らってしまう人は少なからずいるようです。これは結局のところ、面接官が変われば、合否が変わるという典型的な例です。面接はどうしてもそういう運要素が多いのだから、そういう人物重視をさらに拡大するような今の公務員試験のシステムは私は反対なのです。

 

人事院面接は合格者数に定員があり、誰もが優秀であっても全員が通過することはできない。つまり、そこでフィルターが設けられていて、本来なら各省庁が採りたい人の存在を消してしまっている可能性もある。基準点が設けられていて、それをクリアした人は全員通過とかのシステムならまだしも、こういう面接のやり方なら直接各省庁が面接をするだけ十分では?と思わざるを得ないのです。官庁訪問で行われる面接というのも、複数回行われかなり厳しくチェックされますし。公務員試験の国家一般職では、こんな複雑怪奇で非合理的とも思えるようなシステムを採るくらいに、人物重視に固執する意味を私は理解できないのです。

 

 

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