就職活動も最近では、ITを駆使したいろいろな選考が行われています。主に最初の方で行われるWEBテストなんてのもそうですね。これは主に足きりなどのために行われているもので、テストセンターという決まった会場で受けるもの、または自宅のパソコンから受けられるものなどがあります。前者は特に問題は生じないかもしれませんが、後者の場合は問題というか、不正をし放題という指摘もあります。それは替え玉であったり、カンニングという問題です。これが不正であるか?というのは、企業側の考え次第でしょうけど、自宅で受験を認めている以上は、私の推測では替え玉やカンニングを容認しているに等しいと思います。単純に足きりがしたいだけならば、学歴フィルターで良いじゃないですか?でも、あえてお金をかけているわけだから、WEBテストは別のところを見たいと企業が思っているという認識も間違っていない気がします。そして、学力を見たいならばSPIを会場を借りてやれば良い。場合によっては自社のオフィス内でできるかもしれません。そういう手があるのに何故かWEBテストをやるというのは、やっぱり理由があるんでしょうね。
大きな会場を借りている余裕がないというケースもあるかもしれませんが、そういう事情があるならば、結局学歴フィルターとかで足きりをすれば良いだけの話です。学歴フィルターでもある程度の学力の選別はできるはずなので。しかし、わざわざWEBテストを選んで、かつ自宅で受験させるということは、それに意味があると企業は見ている。と推測するのが妥当な気がします。普通に考えたらWEBテストは自宅のパソコンから1人で受けるものでしょうけど、試験官はいませんから、別に本人が受けなくてもバレない。替え玉を使ってもそれが企業側にバレることはまずない。そして、カンニング等の行為も当然バレません。ですから、用意周到な人は複数の人に手伝ってもらう。しかも、それぞれ得意分野がバラバラの人に、国語とか数学のような問題が出るので、それらが得意な人というのはいます。そういう交友関係を持っている人はやはり有利です。
しかし、そういうのを頼める友人がいないという人は相対的に不利ですね。だから、そういう策を使える人に対して、「それは不正行為だ!」とか、言う人がいるのだと思いますが、私は少なくともこれが不正行為だとは思いません。というのも、カンニングや替え玉がいけないというのは、一般常識から判断されているものであって、個別の事情で見れば、それを不正行為にするか?どうかは企業側の裁量です。そして、環境的に替え玉、代行やカンニングがし放題なのは企業側だって、当然認識している。これらの行為を本気で防ぎたいなら、もっと別のやり方をしているはず。しかし、WEBテストを自宅のパソコンからの受験で認めているということは、これらの行為を容認している(不正行為扱いではない)と判断するのが妥当な気がするのです。少なくとも第三者が「不正行為だ!」とか、声高に叫んでいるのは逆に違和感を感じます。おまけにカンニングや替え玉によって、その後学生が内定取り消しされたとか、ペナルティを受けたという例も聞いたことがない。
そもそもWEBテストって、企業側からしてみれば単なる足きりの段階に過ぎない。別に学生の人柄とか、特性を観察するような段階じゃない。だからこそ、学歴フィルターと一緒で、学生の数を絞れさえすれば良いだけだと思うんです。実際、WEBテストの後に会場でやる筆記試験を実施する企業とかもあるみたいですが、このケースはまさにそれだと思うのです。筆記試験をやるための足きりなわけだから、足きりができれば不正をしたか?していないか?とかを気にする必要があまりない。だから、その中に替え玉とか、カンニング行為が混じっていたとしてもあまり気にしていないんじゃないか?と思うんです。また、替え玉とかだって、そういうことを頼めるような友人、人脈があるという証拠にもなるので、実はそれって社会人になってからでも重要だと思うんです。人脈やコネクションがあると、営業に行ったときに話が進みやすいとか、取引が上手くいきやすいとか、そういう傾向があると思いますし、そういう人脈やコネクションを作ることができる学生というのは、総じてコミュニケーション能力が高い印象があります。というか、高いコミュニケーション能力があるから、人脈、コネクションが構築できるとも言えます。
つまり、WEBテストに抜け道があるじゃないか?という指摘は必ずしも正しくないような気がします。あえて作っている気がします。中にはWEBテストをする段階で、注意書きで不正行為についての説明があるじゃないか!という反論もあるかもしれませんが、不正行為に関しての説明があるといっても、それによって企業がカンニングや替え玉を不正行為と認識しているか?は分かりません。だってね、「お宅の企業では学歴フィルターを使っていますか?」と質問されて、「はい」と答える企業はまずない。それは学歴フィルターは企業イメージを下げると考えられているからです。だから、学歴フィルターをやっている会社も、素直に学歴フィルターをやっているとは言わないでしょう。でも、全ての会社がそう答えたからといって、学歴フィルターなんか存在しないという結論はおかしい!ということなると思います。WEBテストの替え玉やカンニングも、企業が認めていたとしても、だからといって、注意事項で「我が社のWEBテストはカンニングも替え玉もOKです」なんて書けませんよ。悪い意味で間違いなく話題になるから。
だから、カンニングや替え玉を企業がどう思っているとしても、ほぼ確実にそういった行為は禁じると書きますよね。でも、企業からしてみればそういう注意書きをしたとしても、絶対に一定層はカンニングや替え玉をしてくると容易に予想できるので、結局人脈を持っている学生や要領の良い学生を選別することができるわけです。だから、注意書きをしつつも、その中でそういう行為をしてくる学生は十分抽出できるのです。ウェブテストでのカンニングや替え玉を容認していても、そういう行為を注意書きで不正行為だとしているような企業があってもそれは自然ということになりますそういう抜け道を利用できる学生の存在は、実は企業にとっても採用したくなるような人材なんじゃないか?と思うのです。例えば、ウェブテストで高得点をとることが会社での仕事になっていたとして、2人いる社員のうち、1人は自力で解いて80点だが、もう1人は数人と協力して90点とったならば、仕事ができるのは後者の人間として評価されてしまうのです。後者の社員だけの力だけでは50点しかとれないとしても、90点にまで引き上げられたのは、彼の人脈力のおかげでしょうから。前者の社員にはその力がないので、90点には上げられないのです。90点にできるのは後者の人間しかいないならば、彼自身に解く力がなくても、彼がいれば結局のところ90点がとれるならば、そういう人間は重用されますよね。結果として会社の役に立っているわけだから。それが会社のあり方であり、社会の中の風潮みたいな感じになっている感はあります。
全部の企業がWEBテストの替え玉や代行などを不正行為にしていないとは言わないけど、不正行為だと思っていない企業が普通に存在している可能性は高いと思います。採用活動は全体的に企業の都合によって行われます。だから、それが学生にとって納得のいかない方法であることは間違いなくあると思います。しかし、それは企業の採用活動の自由の範囲内である限り、本来は文句を言われる筋合いはないわけです。嫌なら受けるな!って言われるだけ(心の中で思っていても多分言わないだろうけど)なのです。それに文句を言うのも自由なわけですが、そんなことをしている暇があれば、自分の納得いく選考をしている企業を選んだりした方が良いのでは?と思います。そういう企業の姿勢はこちらが文句を言ったところで変えられませんから、そういう企業は自分に合わないと踏ん切りをつけて、そもそもウェブテストなんかやらない企業を受けるとか、そういう選択をとった方が賢明に感じます。就活をやっていて納得いかないこと、理不尽に感じることは多々あると思います。しかし、民間企業に就職するってことはそういうことなんでしょう。雇われる身はいつだって納得いかないことばかりです。それは結局、どこの企業を受けても、どこに就職しても変わらない気がします。

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